出版社コメント情報
中国で「農政改革の父」と呼ばれる杜潤生(1913~)は、急激な農業集団化に反対し、毛沢東の批判を受けて失脚、農政から遠ざけられる。文革後、農政の第一線に返り咲き、疲弊した農村や農民の自立と救済に尽力した。改革開放によって拡大した都市と農村、沿岸部と内陸部との格差、農業や農民を犠牲にした高度経済成長をはじめ、環境・食料・高齢化など中国がかかえる諸問題には、三農(農業・農村・農民)問題の解決が前提と、さまざまな提案を行っている。その回顧録である上篇と農政論をまとめた下篇からなる農政関係者必読の文献。