出版社コメント情報
1995年のWTO(世界貿易機関)体制の発足後、多角的貿易自由化交渉は各国の激しい利害対立により停滞し、代わって地域内・二国間の自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)が多発化するなど、多層的展開を見せている。本書では、交渉の多層的展開が農産物貿易問題に与えた影響と調整過程を分析し、その成果と限界を解明する。また、各国の貿易事情の違いが大きく、各国が独自の農業保護政策をとっている農産物貿易問題が貿易自由化交渉全体に与える影響や、関税割当量の増大や関税引き下げが与える影響などを明らかにする。