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遺言 愛しき有田へ

遺言 愛しき有田へ

商品コード:X1009784560084649

  • 著者酒井田柿右衛門/著
  • 出版社名白水社
  • ページ数215P 20cm
  • ISBN978-4-560-08464-9

販売価格2,970円(税込)

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遺言 愛しき有田へ 伝統工芸の危機を乗り越えるために 本書は、伝統工芸の危機を乗り越えようと、有田焼の人間国宝が死を目前に遺した、絞り出すような叫びと提言にあふれている。ここ数十年、有田の町から次第にロクロの音が聞こえなくなり、その代わりにオイルの臭いが漂い、機械の音が響いている。それは焼きものの伝統を継承していくということが、有田の町でも非常に困難になっていることを意味している。まず焼きものの原材料を整える人がいなくなり、有田泉山の扱いにくい石が使われなくなった。また有田泉山の石を脱鉄するために一年も二年も時間をかけて土にする手間を惜しむようになった。塩分を抜くために、薬を使うようになった。しかしそれは、焼きものに必要な不純物まで取り去ってしまうので、色絵の絵の具がピンと付かなくなる……。著者は合理性と非合理性は車の両輪のようなもので、これらの微妙な感じが伝統工芸の質を左右する重要な鍵であると強調する。「作家ではなく職人になれ」「美は手から生まれる」といった著者のことばは、焼きものの領域を超え、すべての伝統芸術にあてはまる名工の至言として読者の心に響いてくるだろう。