出版社コメント情報
「笑われるのを承知で書くが、この曲は人類の残した最も偉大な曲ではないかと本気で思っている」「第四変奏はまさに幽玄の世界である。そしてこの変奏曲の最後の部分で、私は天使が天上から舞い降りてくる姿を見る。ここはもう涙なしには聴くことができない」……。
本屋大賞作家の百田尚樹氏は、クラシックのCDを2万枚以上持っている大のクラシックファン。本書は百田さんのクラシックエッセイシリーズの第三弾、完結編になります。
今回は「天才たちの到達点」と題し、ベートーヴェン、リヒャルト・シュトラウス、シューベルト、ブラームスといった天才たちが、晩年に辿り着いた境地について語っています。「現世の苦しみや悲しみから解脱したような曲」である「モーツァルト・ピアノ協奏曲27番」、作曲家の死を物語る突然の沈黙が訪れる「バッハ・フーガの技法」など。なお、最初に挙げた「最も偉大な曲」はベートーヴェンのピアノソナタ32番です。音楽の最高峰の真髄を、本書の解説で是非味わってみてください。