歴史学・文学・言語学・民俗学など諸学の粋を集め、ジャンルを越えた新たな学問世界への扉を開く。本号は小特集として「東アジアの異界・冥界とその表象―澤田瑞穂の再評価」を設けた。中国の怪異研究で知られた中国文学者の澤田瑞穂博士の業績を再評価するとともに、『日本霊異記』『太平広記』『南総里見八犬伝』など様々な怪異譚について考察する。その他、歴史学・文学・言語学の専門家による研究成果９本を収載。；内容：Ｔｕｎｇｕｓの冥界物語　寺村政男著．　澤田瑞穂の研究の意義　丸山顯德著．　『日本霊異記』の異界・冥界説話をめぐる諸問題　藤本誠著．　『太平広記』鬼部における冥婚譚の諸相〈先秦から隋まで〉　三田明弘著．　『南総里見八犬伝』における『神相全編正義』文化四年本の受容　安保博史著．　犬坂毛野の「賛」と「肖像」　蔵中しのぶ著．　水門の会第二回シンポジウム「東アジアの異界・冥界とその表象」によせて　相田満著．　舎人皇子への献呈歌　加藤千絵美著．　古辞書の訓の幅から語義形成史を考える　吉田比呂子著．　梁の武帝と波羅奈国王　佐々木雷太著．　世良田東照宮蔵三十六歌仙扁額の伝来　オレグ・プリミアーニ著．　明治期の大阪俄本　浦和男著．　『女人芸術』における望月百合子　青木淳子著．　『太祖武皇帝実録』における漢字音表記　鋤田智彦著．　康熙４７年刊『満文金瓶梅』繙訳底本特定の試み　荒木典子著．　『満漢合璧西廂記』の総合的研究．　その６　寺村政男編　荒木典子著　鋤田智彦著