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一回しかない「最期のお別れ」を、かけがえのない時間にするために――。大切な人との死別はつらい。あまりのつらさに誰もが打ちひしがれるだろう。そもそも私たちは死に逝く人の気持ちがわからない。だからこそ遺される家族は途方に暮れてしまう。「何を考えているかわからない」 「一緒にいるのがつらい」 私たちは、どうすれば末期の患者さんに寄り添い、サポートすることができるのだろう? 本書は、1200人以上の人生を見届けた ホスピス音楽療法士が、24の実話を紹介しながら、穏やかな「見送り」のあり方を提案する希望の書だ。■本書の構成 はじめに 第一章 死に直面した人の心の変化 第二章 大切な人のために家族ができること 第三章 グリーフについて――悲しいのは、当たり前のこと おわりに ■24のケース トム――誰にもわかってもらえない気持ち 池田さん――あきらめたわけじゃない ローラ――信じられないし、信じたくない エリカ――なんでこんなことになったの? 清水さん――「老人ホームに入れるなんて親不孝な娘だ!」 大嶋さん――「頑張って」「元気になってね」の言葉がつらい ジェーン――明日、目が覚めなければいい 川井さん――心配なのは、いつまで生きるかわからないこと 北田さん――もしかしたら治るかもしれない 白鳥さん――まだ死にたくないけど、もう近いと思う アレン――娘の成長を見届けたい 坂口さん――あなたのために唄うワルツ チャールズ――母のロザリオを探して 月舘さん――「治ったら、また会えるから」 小原さん――姉との電話 荒井さん――戦火を生き延びて 岡本さん――伝えたいのは「ありがとう」だけ 千葉さん――「ごめんなさい」 井出さん――母ちゃんのおかげで幸せだった 伊藤さん――私がここにいる理由 ユージーン――「そろそろ部屋を片づけるとき」 平野さん――明日、家に帰らないといけない 前田さん――死んだ母さんが見える 早川さん――音楽が最期の贈り物 ■著者情報 ホスピス緩和ケア専門の米国認定音楽療法士。アメリカのホスピスで10年間音楽療法を実践。13年に帰国、15年から青森慈恵会病院緩和ケア病棟でセッションを提供。著書に『ラスト・ソング』(ポプラ社)がある。