出版社コメント情報
“自然は寂しい、しかし人の手が加わると暖かくなる”と、宮本常一は言う。けやき、茶、桜、杉、くぬぎなどの木々がおりなす武蔵野の風景は自然の風物ではなく、人々が一本一本植えることによって作り出されたものである。こうした武蔵野の第二自然形成の歴史に象徴される日本人の自然への対し方をはじめ、衣食住・こころのありようと森林花木とのかかわりをめぐる諸篇を収録する。「作る自然と作られた自然」「時代を映す山野の変遷」「森に住んだ人びと」「山焼き」「中国山地のマツ」「スギと日本人」「花と民俗」「風景はかわる」「ケヤキの並木」他。柳宗民氏との対談も収載。解説=西山妙