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江戸の旗本に、美作(みまさか) (岡山)の医者の娘が嫁ぎました。
彼女が実家にあてて頻繁に書き送った手紙からは、
旗本の妻としての生活や困窮する家計のやりくり、
子どもの教育・縁談などの暮らしぶりがいきいきと浮かび上がります。
手紙に記された、開国で揺れる江戸の世情や家相続の実態も読み解きつつ、
江戸時代後期の女性の生活や心情を、自ら綴った言葉から明らかにしていきます。
【目次】
◆はじめに―手紙を書く女性―
◆1 医師の家に生まれて(万喜の生い立ち/江戸への旅立ち・結婚)
◆2 武家になる(万喜の再婚/大番という仕事/伊東家の暮らし)
◆3 家族を支える(家族関係と万喜の立場/長男の株入り/子どもの教育/出世と家計/子どもたちの縁談)
◆4 実家と婚家(江戸と美作の通信事情/女性と家相続―万喜と実家―/情報の伝達/子どもたちの死/万喜の死とその後)
◆むすびにかえて―武家と庶民のはざまで―