出版社コメント情報
現代の宗教と社会の関係は、社会変動や近代化、復古運動、グローバリズムに対応して多様化している。特に精神性と社会性が不可分なイスラームにおいては、信仰生活と社会生活を切り離すことはできず、国家や民族にアイデンティティや存在の意味を与える宗教体系である「市民宗教」としての側面が現れている。本書では、これまで十分に研究されてこなかったイスラーム社会の「市民宗教」としての役割について中東・アジア・欧米各国で現地調査をおこない、民主化と同時に過激なイスラーム運動を引き起こしたイスラーム社会の変革の現状と背景を宗教学的に考察する。