出版社コメント情報
発達障害の子どもや成人が臨床の現場に登場することは,ここ10年で驚くほど増えた。2013年の文部科学省調査では,発達障害の疑いのある児童生徒の割合が6.5%と推測されている。本書は発達障害の診療や支援をしたいと考えている一般精神科医や小児科医,臨床心理士などに向けて書かれたものである。発達障害を診断する際に必要な診断概念,認知心理学・発達心理学の知識,発達歴のとり方等を,現場で役立つ形で示すとともに,当事者の言動を理解し支援の方法を考える際に有効な「こころの理論」「実行機能」「中枢性統合」といった概念の基本についても解説した。医師や心理職の助言は,親にも,教師などの関係者にも大きな影響を与える。正確な診断を行い,それぞれの患者に合った支援に結びつけるための入門書。