出版社コメント情報
ゼフィルスの愛称で親しまれるチョウのミドリシジミ。翅の美しい輝きはどのように作られ、彼らの生態にどのような意味をもつのか興味は尽きない。 「雄が派手なのは雌の関心を引くため」という説は果たして本当だろうか? ヤドカリやカニなど、さまざまな生きものを研究してきた動物行動学の第一人者が、中学生のとき魅せられたチョウに立ち戻り、その翅の色、色覚、行動の謎を粘り強く解き明かしていく。実験室やフィールドワークの克明な様子、意外な結果を受けて新たな実験に挑戦と、著者の研究ヒストリーを読者は追体験できる。同僚研究者との交流や研究外のエピソードも紹介され、冷静で論理的な筆致の中にも科学者としての情熱や自然への愛情を感じとれるだろう。