出版社コメント情報
日本の産業界や教育界で「ホスピタリティ」が注目されるようになったのは、1990年代以降である。無論、それ以前にもホスピタリティ産業(米国では、狭義には観光・余暇産業、広義には医療・保険・金融産業を含むとし、80年代に呼称されはじめた)、なかでもホテル等ソフト・ソサエティといわれる観光・余暇関連産業でホスピタリティの重要性は自明のことであったが、今日みられるような注目や認識、取り組みの高まりは90年代以降、顕著になった。 本書はこのホスピタリティについて省察を深めた概論書である。ホスピタリティを人の行為から抽出することを試み、その普遍性と日本的ホスピタリティについて考察した。 ホスピタリティが相互の関係性を深める行為であることや、人間的温もりを他者に対し具現化する行為であることに注目し、ホスピタリティを教育や文化と深く関わる側面をもち、人間行動の思いもかけない発展と深化の可能性を秘めた行為として提示した。