出版社コメント情報
これは“わたしたち"の物語。「生きづらさ」を抱いているすべての人へ。二〇〇九年秋、二十三歳のデボラ・フェルドマンは、ニューヨークにあるユダヤ教超正統派<ウルトラ・オーソドックス>のコミュニティと決別した。幼い息子とわずかな持ち物だけを車に乗せて……そのコミュニティでは、正しい服装、言葉を交わす相手、読んでいい本まで、すべてが“しきたり"で決められている。英語を使うことは禁じられ、女性は人前で歌うこともできず、結婚後は髪を剃ってカツラを被ることを強制される――幼いころからジェイン・オースティンなどの小説を隠れて読んだデボラは、自立心に富んだ登場人物たちに触発され、自由な生き方を思い描くようになるのだが……不自由と監視の目から逃れ、自由と自立を求め、コミュニティからの脱出をはたした勇気ある女性のアンオーソドックスな半生を綴った回想録。