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日清戦後から敗戦後まで、近代日本の知識人たちは、刻々と変わりゆく世界情勢をどのように視ていたのか? 本書では、その対外認識を政治史、外交史、思想史、メディア史 などのジャンルから多角的に探求する。この試みは、アメリカ、そして中国をはじめとしたアジア諸国 という「外」に対して、現在の日本がどのような認識を持つべきかのヒントをもたらすに違いない。「8 人の執筆者は「近代日本の対外認識」という広汎なテーマについて、それぞれ異なる視角から論じている。その多様な切り口ゆえに、やや統一性を欠くと感じる読者もおられるかもしれない。しかし本書を通読すれば、読者はまぎれもなく19世紀末から 20 世紀中葉にかけ、自らの立ち位置を模索しながら「外」に 向かい合っていった日本の姿を見ることができるだろう。それは現代、そして今後の日本がいかにして自らの立ち位置を築き、いかにして「外」との関係を築いていくかを考える手掛かりになると 編者は考える。」(本文「総論」より) ※2016 年にやや戦後に比重をおいた『近代日本の対外認識Ⅱ』の 刊行を予定しています。