出版社コメント情報
近年、わが国の食生活や生活様式の変化に伴い、生活習慣に起因することの多い消化器疾患は、疾病構造が複雑かつ多様化してきました。一方、医療も目覚ましく進展し、検査技術および抗ウイルス薬や抗がん剤などの新薬の開発、免疫療法などの治療法の発展、外科的手術療法の進歩により、従来、困難とされていた消化器疾患の治療が可能になってまいりました。消化器疾患は食事との関連性が深く、患者は「食べられない」ことによる生命への危機感や不安感、苦痛を抱える場合が多くみられます。したがって看護に携わる看護師は、生体侵襲を受けて危機的状況にある急性期、在宅療養に向けた患者・家族教育に対応する回復期、症状をコントロールし再燃を予防する慢性期の各健康ステージにおいて、病態はじめ患者の栄養状態・精神状態、患者背景をふまえて迅速かつ的確なアセスメントを行い、ケアすることが大切です。本書が看護学生、看護専門職の方々の看護実践に役立ち、成果につなげていくことができれば幸いです。