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肝性脳症の画像診断とその治療 抗菌薬治療への期待と展望

肝性脳症の画像診断とその治療 抗菌薬治療への期待と展望

商品コード:X1009784779217326

  • 著者住野泰清/監修 永井英成/編集
  • 出版社名メディカルレビュー社
  • ページ数96P 26cm
  • ISBN978-4-7792-1732-6

販売価格2,970円(税込)

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出版社コメント情報

最近の臨床現場を見渡すと、肝性脳症で運び込まれる患者さんの基礎疾患が変わってきていることを実感する。諸家による長年の地道な治療努力が実ってHBV、HCVが減少し、その結果アルコール性肝炎・肝硬変やNASHというこれまでどちらかというと少数派だった疾患が目立っている。余談になるが、最近ウィスキーが復活傾向にある。テレビの影響かもしれないが日本酒や焼酎といった比較的アルコール度数の低い飲料から、欧米的ハードリカーへと世間の嗜好が移っているようである。とするとアルコール性肝障害は今後さらに欧米並みになる可能性が高い。肝性脳症は肝不全徴候のひとつであり、肝臓の解毒能が大きく障害された状況下で肝不全物質が蓄積し発現する。ゆえに慢性肝障害の終末像である肝硬変の一症候として括られることが多いが、実情はもっと複雑である。基礎になる病態としては急性肝不全、末期肝硬変、そして大きな遠肝性門脈側副血行路(肝障害の有無・種類は問わないが、多くは肝硬変を合併)などが挙げられる。まず急性肝不全における脳症であるが、高度の肝炎に続く明確な肝機能低下、種々の肝不全徴候とともに発現するので診断に難渋することはほとんどない。その治療は原疾患すなわち肝炎への対策が主体となる。脳症やその他の肝不全徴候に対しては、肝炎が収束し再生がはじまれば治まるため、人工肝補助療法などの短期決戦型超強力治療を橋渡し的に行うことが多い。なお、肝障害の回復が思わしくない場合、非可逆的な脳障害を残す可能性が高まるため、早めに肝移植が考慮されることになる。末期肝硬変にみられる肝性脳症は、これも黄疸や腹水、出血傾向など他の肝不全徴候と同時にみられるため診断は容易である。肝臓に再生を期待することはできず、橋渡し的な治療法は意味がない。肝移植の適応はあるかもしれないが日本では一般的ではない。脳症は非可逆的で不幸な転帰をたどることになる。そして大きな遠肝性門脈側副血行路による脳症である。門脈側副血行路をもつからには門亢症をきたしているわけで、肝硬変に至っている可能性は高いが、肝機能はいまだ十分に保たれている症例が多い。このグループの症例は黄疸や出血傾向などの肝不全徴候を呈していないにもかかわらず、便秘などを契機にいきなり脳症を発症する。 ほか