出版社コメント情報
本書『ポリマー系ナノコンポジットの新技術と用途展開』はナノコンポジットの最新の情報をいち早く読者に伝えるために刊行されたものである。本書はこの分野における最新の状況を総括的に網羅していると思われるので,直接ナノコンポジット研究に携わっておられる方々のみならず,他分野の研究者,技術者,そしてこれからのポリマー系ナノコンポジット材料の研究・開発に関心を持っておられる方々にとっても必ず役立つものと信じている。しかし,ナノコンポジットは世界規模で急速な発展をしている最先端研究分野であるため情報を総括し,知識の構造化を進める間にも世の中は進歩しつづけ,流れに追いつけないのが現状である。事実本書のタイトルでもある『ポリマー系ナノコンポジット』に関する研究報告を1996年まで遡った過去8年間において検索してみると,驚くことに1800件近くもある。今や『ナノコンブーム』ともいえるほど,研究の活発化の一途をたどっている。数年後には本書の情報は新鮮さを失った魅力のない陳腐なものになっているかもしれないが,今見出されている普遍的な現象は今後の新技術開発には役立つ知見となるであろう。つまり新技術開発の裏には必ず理屈があり,それはサイエンスの力で論理的に説明ができるからである。(「刊行にあたって」より抜粋)2004年11月岡本正巳