出版社コメント情報
2021年7月3日、静岡県熱海市伊豆山地区の逢初川で発生し死者27人、行方不明1人を出した大規模土石流災害は、工事の残土による「盛り土」の崩壊がもたらした「人災」だった。被災した住民は「盛り土」の存在をほとんど知らず、一夜にして日常を奪われた。背景にあったのは悪質な残土ビジネス。行政の対応にも問題があった。全国各地には同様の危険な「盛り土」が存在する。この悲劇を二度と繰り返さないために真相を究明し、浮き彫りになった課題や教訓を防災に生かさなければならない。静岡新聞社が総力を挙げて土砂災害を取材、2022年度新聞協会賞を受賞した長期新聞連載を書籍化した。