出版社コメント情報
「風俗絵画研究会」の文化学的探求の研究成果をまとめたシリーズ第3弾。風俗画の歴史的な実証に留まらず、描かれた事象に織り交ざる虚実を読み解くことで、鑑賞されることを意識した美的な演出や、儀礼や慣習から生じた絵の上での約束事や仕掛け、信仰のイメージや地域に根ざした特殊な世界観などといった、人間の営為そのものの原理を探究する、哲学的思考(フィロソフィー)へと解釈を広げた13篇。食事の情景 宮下規久朗著. 中華民国期の絵画における「風俗」へのまなざし 呉孟晋著. 近代日本画肖像考 中野慎之著. 幕末風刺画の中の役者評判絵 倉橋正恵著. 上方役者絵における中判普及の背景 中野志保著. 円山派の美人画の展開 宮崎もも著. 出光美術館蔵「桜下弾弦図」をめぐるいくつかの問題 舘野まりみ著. 『古今和歌集』注釈にみる秘説の視覚性 松本郁代著. 打出 吉住恭子著. 「吉祥画」としての四季耕作図 松本直子著. 狩野元信「釈迦堂縁起絵巻」〈清凉寺〉の制作をめぐって 森道彦著. 四天王寺図に