出版社コメント情報
明治になって初めて導入されたと認識されてきた「近代的」な文書管理システム― しかし、その萌芽的システムは近世後期にすでに形成されていた。吏僚制の幕藩組織において、より効率的・継続的な統治を行うために、一定水準の文書管理システムの構築は必要不可欠なものであったからである。本書では、幕政・藩政文書それぞれの管理・伝来について具体的に検討し、各藩において文書管理の実務にあたったものたちへ焦点を当てることで、幕藩文書管理の歴史に新たな知見を示す。近世から近代へとつながるアーカイブズ研究にさらなる実証的研究を積み上げる、国文学研究資料館共同研究の成果。