出版社コメント情報
第一に、江戸時代前期における武士の軍事面における役割・存在意義と、軍事・軍役へ彼らが抱いていた意識について考察し、第二に郷士と呼ばれた存在の軍事的な意義について明らかにする。軍団が、戦争の世の中で最適化していた姿から、平和な時代に対応した姿へと、社会状況の要請によって姿を変えていったことを解明する。研究史と本書の課題. 「戦功書上」の成立について. 大坂夏の陣における遭遇戦の実態. 室町末~織豊期における武具統一政策. 江戸前中期における土佐藩の陣立. 十七世紀中期の城受け取りと大名の軍役への意識. 九州地域における郷士層の存在意義. 騎馬層形成政策に見る土佐藩郷士の武力編成過程. 高野山騒動に見る紀州藩地士の武力編成過程. 尾張藩非常守から見る幕末の農兵. 郷士・帯刀人の分類についての一試論. 総括と今後の課題