出版社コメント情報
百姓の自己主張はすごかった。武士の裁きにも臆せず、主張を曲げない百姓たち。信濃国の松代(まつしろ)藩真田(さなだ)家に残された希少な裁判史料から「百姓と武士の意外な関係」を明らかにする。江戸時代の百姓は、武士に支配されるだけの「もの言わぬ民」ではなく、家を守り、村をよくするためには果敢に訴訟をおこした。それを裁く武士も、原告・被告の百姓が納得する判決を下さなければ、支配者としての威厳を保てなかった。本書では、江戸時代の訴訟・裁判を概観しつつ、信濃国の松代藩真田家領内でおきた百姓の訴訟を取り上げ、騒動の始まりから判決までの全過程をつぶさに解説。百姓と武士の意外な関係を明らかにする。