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「栗田長官、南へ行くんじゃないんか!」
戦艦「大和」の艦橋で宇垣司令官が何度も大声で言う。
森下艦長は憤懣やるかたない表情で前方を凝視したまま動かない。
食ってかかる私に、参謀が一通の「電文」を示した――
連合艦隊の総力を結集した運命の大作戦は
なぜ無為に中断されたのか!?
捏造された電文、謎の反転は司令部の芝居だった。戦艦「大和」で起きた、太平洋戦争“最大の謎"が明かされる!
戦艦「大和」副砲長・深井俊之助氏(元海軍少佐)による渾身のノンフィクション。
日本海軍が、戦艦「大和」「武蔵」ほか、残存全戦艦、ほぼすべての空母を投入した最後の大作戦・レイテ沖海戦。
「武蔵」をはじめとする日本の最大兵力が次々と失われていくなか、深井氏の乗る戦艦「大和」ほか、
日本海軍の主力部隊は敵輸送船団への突入を目前に、“謎の反転"を行う。
司令長官・栗田健男中将はもちろん、かつて誰も語らなかった、太平洋戦争“最大の謎"の真相を、
まさにその場にいた深井氏が70年の沈黙を破り、ついに語る。
歴戦の死闘をくぐり抜けた海軍士官が102歳にして回想する、歴史の闇に消えた真実とは――。