出版社コメント情報
鎌倉時代に中国から請来された唐物は足利義満、義政などによって珍重され、東山御物として重宝された。それらは、信長、秀吉、家康など天下人や戦国武将たちによって名物として継承されるが、わび茶の誕生、独創的な茶人や町衆の台頭などによって、その価値観には微妙な変化が生じ、それはやがて多様な文物群へと広がってゆく。それをランク付けしたり再構築して後世に伝えようとした遠州や不昧によって中興名物や大名物などの概念が誕生する。本書では、これら名物の価値観の変遷とそれに関わった人びとの営みを、史料に基づきながら解き明かす。