おすすめコメント
京都の西を走る嵐電を舞台にしたラブストーリー。映画『嵐電』ノベライズ。手がけたのは『なつぞら』ノベライズの木俣冬。 ●嵐電沿いの映画撮影所から世界的名作映画は生まれてきた京都市の西、四条大宮、嵐山、北野白梅町を結んで、京福電気鉄道嵐山本線と北野線(通称「嵐電=らんでん」)は走っている。地元の人々や世界中から訪れる観光客から愛されている沿線には映画創世記より撮影所が数多く造られてきた。『羅生門』『雨月物語』『地獄門』など世界の映画祭で受賞を重ねた名作が嵐電沿いの撮影所から生まれた。現代。映画『嵐電』は、嵐電沿線と撮影所を舞台にした3組の女と男のラブストーリーである。 映画は、井浦新主演、鈴木卓爾監督で、5月24日より東京・テアトル新宿、京都シネマにて公開。以後順次全国公開である。「小説嵐電」は、映画『嵐電』から新しく生まれた物語である。『路面電車がどれほど魅力的な映画的被写体であるか。そんなことは百も承知の鈴木卓爾は、面と向かってそう主張することに若干の照れを感じているかにみえる。役者たちはといえば、女も男も、その監督の照れを聡明に共有しあっている。それがこの映画のつきぬ魅力にほかならない。』 蓮實重彦(映画評論家)