出版社コメント情報
幕末に6回にわたり蝦夷地と称された今の北海道を、沿岸部にとどまらず、内陸部まで隈なく探査、その足跡は国後島から現在ロシア領のサハリンにまで及んだ。膨大な記録を時には詳細精密な絵入りで残し、地図やら双六なども多数出版し、北方世界への関心高まる江戸っ子に供し、幕府や諸藩の求めに応じて報告書を提出した。超人的な健脚と先住民族アイヌへの深い理解と愛着を寄せる。国学を学び、幕末の志士たちと交流、非道な搾取を行っていた松前藩を出版を通じて告発。明治に時代が替わり、北海道開拓の役人として任官するも思い半ばで職を辞す。松浦武四郎を一言で説明をするのは至難の業。なぜ、今の今まで、松浦武四郎その人の業績なり人物像なりが語られてこなかったのだろう。また生誕200年、北海道150年という節目まで待たねばならなかったのか。大いなる疑問に対する答えを求めて生地松阪市へ、そして北海道へ取材の旅。幕末・明治という激動の時代。日本史の授業では「空白」に近い当時の北方史を照射する「旅の巨人・松浦武四郎」が遺した足あとをご一緒にたどってみませんか。