出版社コメント情報
経済体制の移行とはいったい何なのか、いったい何が問題なのか。資本移動、とりわけ投機的資本移動とは何であり何が問題なのか。経済改革と資本移動との関係はどのようなものなのか。そうした問いに答えることが本書のねらいである。 冷戦が終焉し、旧計画経済体制諸国の市場経済への移行がはじまった。それはグローバル化への試みでもある。本書は、中欧諸国の経済体制移行とそれに伴うグローバル化、とりわけ資本市場に関わる諸問題について考えている。(1)中欧の経済改革とリスクおよび(2)商品先物市場における投機現象とその対処策の位置づけ、である。 本書では、ワルシャワとブダペストにおける商品取引所の必要性と現状を手がかりとし、対中欧投資をとおしてリスクの所在をとらえ、事例研究をつうじて投機の性質と対処策を模索している。経済改革に注目が集まり、また資本市場の機能が問われている現在の国内および国際経済をとらえるうえで、本書は必読の文献である。