出版社コメント情報
本書は公会計の政策立案支援機能と評価機能についての研究書である。 第1章、第2章、第3章において、政策会計では「複式簿記に依拠せずに公的組織のストック情報が把握可能である」という主張を展開。また、公会計を複式簿記で行うことを主張する会計学者に、正味財産の蓄積を最大の政策目標と錯覚する一群があることを厳しく批判している。 第4章では、予算の裏づけのない政策について、マニュフェストに記載する政治家が約3分の1存在し、しかも、この比率が政党間で有意差がないことを実証する。 第5章、第6章では、公会計作成基準をめぐる中央政府と地方自治体の対立を分析。 第7章では、政策会計の社会的情報技術基盤として3つの提案がなされている。第1提案は、公会計情報の作成・交換・利用のために標準化されたXMLベース言語XGRL(eXtensible Government Reporting Language)を会計学者、政策学者、コンピュータ技術者が共同して開発することであり、第2提案は、公会計情報を最適に配信するシステムとして、公的機関のサーバ群をGCDN(Governmental Content Distribution Networks)により連結することである。最後に、政策支援高速コンピュータ網GPGC(Global Policy Grid Computing)が提案されている。