出版社コメント情報
本書は、日本の国際協力での現職理科教員研修の指導のあり方について論述したものである。日本はこれまで開発途上国で現職理数科教員研修を実施してきた。これらの経緯を踏まえて、ケニア共和国で行った現職理科教員研修の指導とその評価について詳述。特に教員研修指導の中で調査を行い、教育の質の向上という観点から教員の質について論じ、今後の現職理科教員研修の指導方法と内容について課題と展望を示した。 まず教育が開発のなかでどのように位置づけられたかを歴史的な経緯から考察し、教育の量的拡大とともに教育の質の向上が重用であることを示す。教育活動が本来の成果をあげるかどうかは、一人ひとりの教員の質にあることを論じた。次いで国際教育協力プロジェクトの実施と評価の方法について、その課題を分析する。実施された現職教員研修によって教員の質がどのように形成されたのか、そしてどのような研修がより高い効果をもたらすのかを見極める必要がある。効果的な教員研修を効率的に実施していくための評価方法が求められていることを示し、さらに日本の教育分野の国際協力の取り組みを踏まえて、ケニア共和国で実施した理数科教員研修の指導とその評価について、研修受講者への調査結果から論じた。 これらの考察から今後の日本の国際協力での現職理科教員研修の指導のあり方を示す。