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バッハ=ブラームスの行間、スクリャービンの希望、ラヴェルの華麗──。三百年の歴史を持つ、知られざる豊かな響き、左手のピアノ音楽がよみがえる。病によって、戦争によって、右手の自由を失ったピアニストたちが、それでも表現することをあきらめずに ひとすじの細い道をつないできた左手のピアノ音楽。それはまったく新しい豊かな響きをピアノにもたらした。多彩な音色と高い音楽性──片手演奏のイメージを180度変える希望の音楽である。少年時代から人に音楽を聴かせることに喜びを見出していた若いピアニストは、ジストニアの発症によって左手の音楽に目覚める──。ETV特集「左手のピアニスト?もうひとつのピアノ・レッスン」をはじめ、各種メディアで注目を集める"左手のピアニスト"が、新しい響きを生みだすまでの歩みを縦糸に、左手音楽の歴史を横糸に、はじめて書き下ろす、未知のピアノ体験。