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ダウン症の兄・ヒロには、少し変わった癖やこだわりが数えきれないほどある。返事があるまで「おはよ」を連呼。シーツはいやで真夏でも毛布。体をゆらゆらさせるのが好き。病院と鏡が大きらい。Tシャツの裾はパンツにイン。お迎えの車へはいつもダッシュ。おやすみのまえはハイタッチ。私はヒロのそんな癖やこだわりがとても人間的でおもしろいと思った。そこにはヒロの世界がつまっていて、ヒロの「秩序」があるのではないだろうか──。ヒロの一日を、美大生の妹が3歩の距離からゆるーく見つめ、個性的でも、凡庸でもない、ヒロの世界をかたちづくる「秩序」を活写するフルカラー・イラストエッセイ。巻末にはダウン症の娘をもつ環境哲学者・最首悟が解説を特別寄稿。