出版社コメント情報
中国には現在、五十六の民族が居住していて、人口の九〇%を漢族が占め、残りがおおむね辺境地区に居住している少数民族である。これら少数民族のひとびとの文学は、いまだに明確に国外には知られていない。ただ、存在は知られていても文字での文学作品はなく、きっと伝承か民謡の類いだと見做されていたはずである。しかし、いまや中国の少数民族のひとびとは、各自に有するウイグル、ロシア、モンゴル、満洲、朝鮮、カザフ、イ、チベット文字などで作品を発表すると同時に、共通語である漢語の書けるひとびとは共通語の漢語で執筆し、または優秀な作品は共通語に熟練した翻訳者によって翻訳され、全国的な文芸誌などに発表されている。 (「解説」より)