出版社コメント情報
本書はトラブルの未然防止に役立つFTAと、ETAなどの関連技法について、最新の話題も添えた解説書です。これらの手法は、自動車の機能安全(ISO 26262)などにおいて、機能安全を確保する有力なリスク分析技法として用いられます。FMEAが原因から結果を解析する手法なのに対し、FTAは逆方向の結果から原因を解析する手法です。FMEAが表形式の手法であるのに対し、FTAは図形式の手法です。また、ETAは、FTAと同じ図形式の手法で、FTAとは逆向きの解析、つまりFMEAと同じ解析方法をもちます。しかしながら、三者に共通するのは、隠れたトラブルを洗い出すことに優れ、その原因を突き止め、事前に適切な対策をとることを可能にしていることです。FTAは実際に発生した故障の原因を探るのに優れた手法で、論理的かつ系統的に原因を掘り下げていきます。FT図はその結果を見える化した図で、木構造(クリスマスツリーの形を想像してください)に表現されます。FT図そのものは、日常の事故対策会議などで、簡単に黒板などに描いていくことができるため、全員が問題点を共有しながら解決策を合理的に検討することができます。