出版社コメント情報
未来を占うための法則は、必ず過去から導き出せる。いつの時代も人間は、自分自身を脅かすこと、他者を害すること、他者を利することを知る必要があった。大衆が自分たちの暮らす村が属する帝国の文民、軍人、宗教家から情報を得るようになったのは、つい最近のことだ。印刷術の発展で文章が拡散し、手紙の伝達やジャーナリストの登場を経て、新聞、通信社、雑誌、広告、写真、電話、ラジオ、映画、漫画、テレビ、インターネットさらにSNSが出現。時代を経るごとに、メディアはどんどんその形態を変えてきている。情報の利用は、常に権力者とのせめぎ合いでなされてきた。また、現実と仮想を切り分けることが難しくなり、嗜好や意識さえもホログラムなどの人工物やクローンに移し替え可能な時代になればなるほど、問われるのは、「メディアの歴史における確信は人間の条件」なのだ。この物語が綴る壮大な数々の冒険に対する驚きを、是非読者のみなさんにも味わって頂きたい。