出版社コメント情報
「企業の責任」とはなんでしょう。いま、あらためて、それを考えています。いまから20年ほど前。「吉野杉」との出会いがありました。奈良県・川上村の急勾配が続く険しい山道をひたすら進んだ先に現れたのもの。それが、戦時中の伐採を免れ、200年以上生き抜いてきた、たくましくも美しい無数の吉野杉の大木だったのです。「まだ、こんな木があったんか……」このときの感動は、いまも忘れることができません。「住宅産業は、地場産業である」地元の木を使い、地元の職人たちが建て、地元の人々が住まう。そして、地元の木を使うことで地元の森が続いていく。そんな家づくりが、吉野杉をふんだんに使うことで実現できるのではないか。そして当社の企業としての責任は、吉野杉を中心として「地域創生」と「循環型社会」の実現に貢献していくことではないかー。本書では、これまで私が考え、いま進めていることを著します。それを皆様に知っていただくことで、ニッポンが、地域が、地元が、元気になっていくきっかけになれば、こんなにうれしいことはありません。