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熊谷守一の絵に温かな言葉が寄り添います。 孤高の画家であり「画壇の仙人」とも称された熊谷守一。1977年に97歳で亡くなった彼は、自然の営みを飽くことなく見つめ、その晩年には、蟻や蛙や亀など、自宅の庭先の小さな生き物たちを描き続けました。彼の絵の中から幼い子どもたちに身近なモチーフが描かれたものを選び、画家を敬愛してやまない詩人のぱくきょんみが言葉をつけました。 「おひさま、おはよう」から始まり、「ぐっすり おやすみ」で終わるゆるやかな一日の流れの中に、小さな命がきらめきます。擬音が生かされた端正な言葉が、そっと絵に寄り添いながら赤ちゃんに届きます。絵はすべてトリミングせず、縦横比をそのままに掲載しました。絵の左右にできる余白には、板絵の独特のタッチを拡大して配置しています。同じく熊谷守一を敬愛する美術家、おかざき乾じろによる画期的なレイアウトです。美しく調和した絵と言葉が幼い子どもたちを魅了する絵本です。