出版社コメント情報
寺島宗則 1832~1893 薩摩藩出身。冒頭の横山健堂の解題的文章では「明治外交史の初頁に現はれる外交家で」、「最初の実質的外務大臣」と位置づけられた、寺島の出生から明治二〇年までの自らの経歴を記した自叙伝。幕府遣欧使節随行、薩英戦争時の英捕虜体験、薩藩留学生としての渡英、外務省の近代的体制確立への尽力と条約改正問題に取り組む姿が描かれる。「肝要なところは、入念に説明してあり、簡にして要領を得た自叙伝」と横山に評され、「穏当な書き方で誇張の痕跡は見えず、伯の風格がよく現はれてゐる。幕末明治の史料としても感興的」内容。