出版社コメント情報
●欺かれた歴史:松岡と三国同盟の裏面 松岡洋右 1880~1946 山口県生。「内外から余りにも誤解されている松岡外交の正しいすがたを、世に明らかにすることが本書公刊の目的である」。自序第一に掲げられているこの言葉の通り、外務省顧問として松岡補佐の筆頭を務めた著者・斎藤が、「軍部懐柔のための表面的方針」と異なる、その裏にかくされた「軍部には絶対秘密にされた方針」を具体的かつ詳細に叙述。危機の時代を、内外勢力の微妙なバランスを計りながら、綱渡りのような外交政策で乗り切ろうとし、挫折した松岡外交の真意を伝えるために書かれた証言の書。 ●太平洋戦争由来記 外務次官として松岡外交を支えた著者の松岡回顧録。斎藤と同様、国内的には軍部を操縦し、対外的には米独ソ三国の思惑を利用して構想された松岡外交の、平和を目指した真の意図を知る部下・大橋の眼から著された書。奇矯な言動がともすれば外交に悪影響を及ぼしたと指摘される松岡だが、その実、かれが緻密に計算された外交戦略の下に行動していたことが、三国同盟、日米交渉など、実際の交渉現場における松岡の姿から語られる松岡外交当事者の記録。