出版社コメント情報
大正から昭和初期の「大大阪」。その時代の古書蒐集活動と歴史研究の水準を明らかにする出版文化資料。 東京に拮抗した戦前大阪文化界の全容に光をあてる資料群の復刻。近世以来の在野アカデミズムの精神を引き継いだ文化人たちによる古典籍、史料考証に関わる随想や、かれらの事績を伝える追悼録を収録。 <この巻の内容> 西村天囚(1865-1924)の追悼録。西村は漢学者で、明治大正期の代表的ジャーナリスト。かれは懐徳堂の再興にも尽力したが、本追悼録は懐徳堂堂友会発行雑誌『懐徳』二号として編纂され、懐徳堂関係者のみならず、西村ゆかりの人々が故人の業績を偲ぶ。また、西村の著述目録と西村所蔵の「碩園先生旧蔵楚辞類書目」も掲げ、書誌学的にも興味深い文献。