出版社コメント情報
大正から昭和初期の「大大阪」。その時代の古書蒐集活動と歴史研究の水準を明らかにする出版文化資料。 東京に拮抗した戦前大阪文化界の全容に光をあてる資料群の復刻。近世以来の在野アカデミズムの精神を引き継いだ文化人たちによる古典籍、史料考証に関わる随想や、かれらの事績を伝える追悼録を収録。 <この巻の内容> 福良虎雄(1870-1941)は、報知新聞から大阪毎日、東京日日新聞の政治部長、夕刊大阪新聞常務、編集主幹を務める。竹亭と号し、名文家と謳われ、大阪明治文化研究会などを組織し、戦前期の大阪の学芸を在野から牽引する。本書は、夕刊大阪新聞に大正十五年から連載した随筆から選び、古書論から高尚、世俗に渉る逸話を筆者の識見から綴る。