出版社コメント情報
ベトナム戦争を挟んだ時期に、日本でただ一つのカタカナ表記だった街、コザには刺繍店がひしめきあった。その数、30数軒とされる。コザから沖縄市となった今でも、当時からの店が複数続いている。そうした店では、兵士が持ち込んだ刺繍用原画や、兵士たちの要望を聞き取って、店主自らが絵に起こした原図を大切に残している。それらのグラフィティーは、時間に癒された今、貴重なペーパーアーカイブスとして向き合える時代になった。手で触れられるほどの死と向き合っていた当時の兵士たちの心情を、これほどピュアに、そしてストレートに伝えてくれるグラフィティはない。これこそが「コザ・グラフィティ」である。