出版社コメント情報
復刻版 いま新しい現代詩の指標として 過去六十年になろうとするこの詩集は 戦後という読者にとっては 未知の原風景を再現せずにはおかない。 小川和佑「解題」より 昭和22(1947)年に発行された伊東静雄の第四詩集。「わがひとに与ふる哀歌」、「夏花」、「春のいそぎ」と続く詩集であるが、性格は全然異にする。 本詩集「反響」は、前三詩集から秀作を選び、配列を変更して再録し、さらに巻頭に新作を収めた詩集である。すなわち、自選詩集「反響」は、これらの作品が、「伊東静雄です」と、著者自身が読者に提示したものに他ならない。「反響」の熟読が、伊東静雄研究の原点であろう。