出版社コメント情報
子どもの学ぶ意欲や規範意識、社会性の低下といった問題が顕在化する昨今、複雑・多様化する学校教育の課題に対応する教員には、高度な専門性と豊かな人間性・社会性を備えた実践力といった高い資質が求められている。授業実践の質的向上のカギとなるのが授業研究であるが、それは今や授業理論や授業構成という従来のレベルに留まらず、学習者の理論や子どもの心理を踏まえながら考えていく、授業デザインというレベルで必要なのである。本書では、生活科教育の意義、誕生の経緯、目標、内容構成などあらゆる項目に基づき、授業デザインとしての豊富な事例を紹介。取り上げた事例は、広島大学附属小学校での筆者の実践をもとに、2008年の学習指導要領改訂を踏まえ再構成した極めて実際的なものである。生活科の誕生から25年が経過。設立当初のブームは去り、いくぶん停滞気味のようにも見えるが、生活科新設が小学校教育に果たした意義は大きい。小学校教員を目指す学生はもちろん、日々、学校現場で生活科授業を担当している教師にとってもバイブル的存在となるであろう一冊。