本書は熊本中世史研究会の五十周年記念として企画された論集である。本書所載の各論文は、特に主題を定めて編集したものではないが、自然本会の歴史や現状を反映するものとなっている。便宜「武家権力の地域的展開」「地域のなかの村・都市・神仏」の二部編成とし、各四編の論文とコラム一編を配した。府官系武士団の展開と肥後国　小川弘和著．　鎌倉期肥後国野原荘の名体制と小代氏　柳田快明著．　文禄・慶長の役と加藤清正の領国支配　山田貴司著．　近世初期細川家臣団起請文にみる熊本藩「国家」の形成　稲葉継陽著．　中世肥後国における「村」と「浦」　春田直紀著．　中世後期菊池氏による港湾都市「高瀬」統治　青木勝士著．　熊本・東禅寺の正平二五年「院□」銘・釈迦三尊像について　有木芳隆著．　阿蘇下野狩と下野狩史料の形成　阿蘇品保夫著．　熊本中世史研究会の五〇年を振り返る　熊本中世史研究会述