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これぞ映画!映画のおもしろさとはこれ!映画が光と影の芸術であることを証明し、映画の神髄を見せてくれる傑作が「第三の男」である。 ■第23回アカデミー賞
撮影賞受賞
■監督
キャロル・リード
■主演
オーソン・ウェルズ
ジョセフ・コットン
■1949年・モノクロ
■PDM-007/約105分 第二次世界大戦後のウィーン。麗しの音楽の都も今では暗黒の街。この街で成功しているという友人を訪ねてアメリカからやって来た三流小説家。しかし友人は死んだという。その事故死の時、正体不明の第三の男がいたという謎を追って小説家は街をたどる。かって友人の恋人だったという密入国者の女性と知りあうのだが、なぜか警察の調査の手がのびている。映画の原点とは光と影。それを素晴らしい感覚で見せてくれるのがこの映画だ。特にオーソン・ウェルズが姿を現わした時の光の使い方はショックさえ感じる。そしてこの映画はみる度に新しい発見をさせてくれる。ウィーンの濡れた舗道を這う光と影。斜の構図による不安感のもり上げ。そして何よりこの映画は、女の愛の強さを描いている、ラストのキャメラ据えっぱなしの長回しは凄い。小説家がジョセフ・コットン。恋人がビスコンティの「夏の嵐」のアリダ・ヴァリという凄いキャストである。