嫁ぎ行く娘への父の想い。婿への複雑な心境。結婚式の当日はもう目も廻る忙しさ。そのくせ誰も父の存在など気にしない。そんな父親の哀観を見事に描いた傑作。 督：ヴィンセント・ミネリ　 原作：エドワード・ストリーター　 脚本：フランセス・グッドリッチ、アルバート・ハケット 出演：スペンサー・トレイシー、エリザベス・テイラー、 　　　ジョーン・ベネット、ドン・テイラー ■1950年・モノクロ・アメリカ作品 子役からようやく娘役に成長した頃のエリザベス・テイラー主演作。まだ実に初々しい彼女の花嫁姿は、誰でも胸ときめかせてしまう。そんな彼女が結婚するという。お父さんの心は乱れる。大事に手塩にかけた娘を手ばなす事。嬉しさと不安と淋しさ。相手の男はどうせ大した男じゃあるまい。ところが結構いい男。奥さんはもう嬉しさにはしゃぐだけ。結婚式当日はもう家全体がひっくり返るような大騒動。喧騒の中で、父の存在はおいてけぼり。こうした父の心境を見事に描いたホームドラマの傑作である。父がスペンサー・トレイシー。母がジョーン・ベネット。当時の美人大スターだ。そしてエリザベス・テイラーのフレッシュな花嫁がたまらなく心をつかむ。監督が巨匠ヴィンセント・ミネリ。大ヒットして続編「可愛い配当」が作られた。