決闘は正午。相手は名だたるガンマンばかり。こちらは一人。刻々と時間は流れる。決闘の凄まじいリアリティと、サスペンスを織りまぜた、史上、名高いウエスタンの名作。 ■第25回アカデミー賞 主演男優賞、劇・喜劇映画音楽賞、歌曲賞、録音賞受賞 監督：フレッド・ジンネマン　 原作：ジョン・W・カニンガム　脚本：カール・フォアマン 出演：ゲイリー・クーパー、グレイス・ケリー、 　　　トーマス・ミッチェル、ロイド・ブリッジス ■1952年・モノクロ・アメリカ作品 ■PDM-029/約84分 西部劇の革命とさえ言われた名作である。当時ハリウッド一の革新派といわれたプロデューサー、スタンリー･クレイマーが気鋭の監督フレッド･ジンネマンを起用して創り上げたウエスタンである。結婚して保安官をやめ、幸せな家庭を作ろうと旅立とうとする矢先。かって彼が捕えて刑務所にぶち込んだ男が、仲間と共に復讐にやって来る。正義感の強い彼は再び引き返し保安官バッジを胸に立ち上がる。街の人々は災いを恐れてみんな逃げ腰。誰一人として助けようとしない。決闘の時間は真昼･十二時。果たしてどうなるのか？ 保安官はゲイリー･クーパー。その新妻でラストに大きな見せ場を持つグレイス･ケリー。この映画で認められMGMやヒッチコックの常連となった。ジンネマンはこのドラマと実際の時間を完全一致させるという実験演出を見せた。あらゆる面で西部劇のその後を変えた秀作である。