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この映画が世界の映画界に与えた影響は大変なものがある。第二次世界大戦直前、混乱を極めたローマをありのままに描き、世界の作家を目覚めさせた傑作である。
■第22回アカデミー賞
特別賞受賞
監督:ヴィットリオ・デ・シーカ
脚本:チェザーレ・ザヴァッティーニ
出演:ランベルト・マジョラーニ、エンツォ・スタヨーラ、
リアネーラ・カレル、ジーノ・サルタマレンダ
■1948年・モノクロ・イタリア作品
■PDD-124/約85分
映画史は、この映画をネオレアリズモ(リアリズム)の夜明けとさえ語る。終戦。庶民の苦しい生活の厳しい描写。そんな中でようやくビラ貼りの仕事を得た男。ところが商売道具で必要な自転車を盗まれてしまうのである。彼はまだ幼い息子と共に、必死で盗まれた自転車を探してまわる。この二人を演じているのが、完全な素人たち。これが実にリアリティがあって私たちの心を掴む。特に少年を演じているエンツォ・スタヨーラが見事である。クライマックスでお父さんが逆に人の自転車を盗み、みんなに捕まってこづかれている時、涙いっぱいにお父さんの服につかまっている彼は、私たちの心をしっかりと掴む。監督は後に「ふたりの女」や「ひまわり」を作る名匠ヴィットリオ・デ・シーカ。この映画もアカデミー特別賞を獲得している。