出版社コメント情報
環オホーツク海域における通説編年体系を覆す「新しい編年体系」を立証する。近年、北方史の世界では研究の成果が広く語られている。しかしながら、それらを支える編年体系には、1964年に学説が対立して以来、長年に亘って放置されてきた問題点が存在する。本書では、千葉大学による10余年の調査成果をふまえて、そうした問題点を学史的に解き明かすとともに、北海道島と大陸の双方において10年単位の暦年代を付与した小細別編年を仮設し、「遼時代の素焼土器」の年代を「10世紀の末頃」に比定したうえで、通説の北方編年体系に代わる、「新しい北方編年体系」(第3版)を再提案している。附篇として、学説の対立を導いたウトロチャシコツ下遺跡「未公表」資料の論考を収録。