出版社コメント情報
荒涼とした砂漠と、欲望渦巻く王宮がそびえる、とあるアラビアの王国。 金のために親に売られた9歳の少女──ドドラ。書士を生業とする商人の元に嫁がされた彼女は、処女を奪われてしまうが、文字を教わり、神話を読み、語る喜びを感じて生きていた。 しかしある日、商人は盗賊達に殺され、ドドラは奴隷市場へ。そこで同じ境遇の3歳の少年・ザム(=ハビビ)と出会う。逃亡を企てたドドラはザムを連れ、荒涼とした砂漠で共に暮らし始める。ザムに様々な神話を語りながら、慎ましく暮らしていた二人だったが、ある日、ドドラは、ザムを残して忽然と姿を消してしまう。 文明や身分、性の壁に阻まれながらも、ドドラを探すザム。 欲望のみが跋扈する王宮のハーレムで、王の寵愛を受けるもザムを想うドドラ。二人は果たして、再び巡り会うことができるのか?